代表自らがコミットするエンジニア組織のマネジメント育成 - “共通言語”を基点に自走する組織カルチャーへ -

代表自らがコミットするエンジニア組織のマネジメント育成 - “共通言語”を基点に自走する組織カルチャーへ -

株式会社ディマージシェア/代表取締役社長 大内 慎

大内様
代表取締役社長。マネディクの導入を決め、自身も当社との定例ミーティングへ毎月参加し、社内ファシリテーターも担っている。

システムエンジニア比率9割。技術に強みを持つ株式会社ディマージシェアが直面していたのは、マネジメント人材の育成という課題でした。社内でのマネジメント教育は取り組んではいたものの継続が難しく、理想のマネジメント育成を模索する状況が続く……そんななか出会ったのが、マネディクのマネジメント層育成プログラム。代表自らも受講し、共通言語を用いて社内コミュニケーションを取ることでマネージャー陣にもその学びを定着させ、その結果、なんと約十年ぶりの組織改編にまで発展していきます。今回は、株式会社ディマージシェアがどのように『マネディク』を活用したのか、それによって生まれた大きな変化について同社代表取締役社長の大内様と弊社執行役員の淺井による対談形式で紹介します。

継続できなかったマネジメント育成。エンジニア組織が見つけたマネディクという突破口

まず、簡単に会社説明をお願いします。

大内様:

当社は、創業から一貫して企業のデジタル化支援を行っており、システムの構想・設計・開発・運用をワンストップで支援するデジタルソリューション事業を展開しています。私自身が元々エンジニア出身であり、また社員の約9割がエンジニアで構成されていることが特徴です。新規開拓の営業部門なども自前では持たずに事業運営をしています。

お客様のシステム開発をゼロから行うこともありますし、自社製品の企画・販売も行っています。自社製品としてはインターネット広告のアフィリエイトや広告配信のプロダクトを提供したり、直近ですと、BtoCやBtoBのマッチングビジネスのパッケージシステムをリリースしています。

本当に多種多様なお客様がいらっしゃいますが、お客様との取引が非常に長く、例えばある物流業界の大手企業様はシステム開発から保守に渡って20年以上携わっています。


 エンジニアのマネジメントやリーダー育成に関して、もともとどのような課題を抱えられてましたか?

大内様:

エンジニアが多い組織という特性上なのか、マネジメントに強みを持った人材はあまり多くありませんでした。

エンジニアは、目に見える課題に対し、ひとつひとつ解を組み上げていくことや情報や状況の交通整理は得意なのですが、マネジメントのように “見えない課題” に対して、仮説を立てて進めていくことは、もしかしたらあまり得意じゃないのかもしれないという仮説があります。

もちろん、マネージャーに任命されたメンバーは皆しっかりと真面目に取り組んでおり、マネジメントや部下の育成に対して、疎かにする様子はありませんでした。一方で、マネジメントを体系立てて学んだ人材がいないので、苦慮しながら手探りで行っている様子はありましたね。

実は、創業して25年間のなかで、マネジメント育成に対していろいろと社内で試行錯誤をしてきました。しかし、どれも継続的な施策にはなりませんでしたね。というのも教えられる人が限られているので、その人が忙しくなってしまうと、どうしても継続ができませんでした。


 マネディクのサービスを導入した背景やきっかけを教えてください。

大内様:

先ほどお話しした通り、マネジメント育成に関して手詰まり感や危機感がありました。そのような中、知人の経営者がたまたまマネディクの事例記事に出ているのを見つけまして、運命めいたものを感じたのです。経営者独特の感覚かもしれませんが、何かに悩んでいて課題のアンテナを張っている時に目についたものに意味を見出してしまう傾向が私にはあるんですよね。

すぐにその経営者の方に連絡をして、マネディクの詳しい内容や感想を聞いてみました。すると、「社内でマネジメント育成を自走できるようになるところや、得たノウハウをその後もずっと活用し続けられるところが良いよ」と評価していたので、さっそく私も問い合わせしてみることにしました。

もともとは、社内で立て付けを考え直してマネジメント育成を実施することも検討していたのですが、外部の力をお借りして一気に加速したいという気持ちがあったのです。マネジメント層の育成という課題は、すぐにでも着手しなくてはいけない状況だったので、やるかやらないかの迷いはありませんでした。


知人からの評判もあったので、サービスの提案を聞いたあとは、迷わずマネディクの導入を決められました。


確立された研修計画と代表自らのコミットにより、“継続しない”という課題を解決

 1期メンバー・2期メンバーと時期を分けて導入されていますが、それぞれどのような意図があったのでしょうか?

大内様:

1期メンバーは部長以上のメンバーをセレクトしました。実は1期メンバーには、マネディクを導入する約1年前ぐらいから、マネジメント層を育成する前段階のようなことを実施していたのです。具体的には、毎月1on1を実施したり、数ヶ月に1度食事をして、私と事業戦略やビジョンを共有する機会を設けたりしていました。


日々、マネジメントに対して葛藤する場面が多いメンバーなので、プログラムを通して「そうだよね」と、学んだ内容がスーッと入っていく様子が伺えましたね。


2期メンバーは、1期メンバーよりもひとつ下のレイヤーの若いメンバーを中心にしています。今後も、3期メンバー、4期メンバーとグループを作って実施することで、ただ裾野を広げるだけでなく、レイヤーごとに社員のマネジメントレベルを底上げしていくことも検討しています。


1期メンバーには代表である大内様も自らメンバーとして加わっていますね。なぜご自身も参加しようと思われたのですか?

大内様:

マネディクを通してマネジメントの “共通言語” を浸透させていくのであれば、会社のビジョンと共通言語を紐付けるという役割を担うことが大切だと考え、私自身もプログラムに参加することはマストだと考えたからです。


ファシリテーターを務められたとのことですが、どのように進められたのですか? また、ご自身で実際にやってみていかがでしたか?


大内様:

はじめの3回はマネディクの方にファシリテーションをしていただいて、その後は私を含む役員メンバー3人でローテーションで行いました。

淺井:

テーマとファシリテーターの組み合わせも、大内さんに考えていただいた会が何回かありましたよね。

大内様:

そうですね。「このテーマは私がやった方がいいな」というものは私が担当したりと、内容に合わせて3名の役員の中でファシリテーターを決めていました。

また、毎回受講前に役員3人が必ず集まって「プログラムの本質からズレないように進めるには、どのような形でファシリテーションしていこうか」というのを話し合ってから臨むようにしています。

ファシリテーターというのは、プログラムの当事者でもありつつ、同時に客観的な立ち位置でもあるので、良い意味で感情をおさえながら物事を見ることができ、遂行できるのが良かったです。もしこれが社長と社員という関係性のなかだと、私の発言は社員にとって指導やダメ出しに感じられることが多いんですよね。

淺井 :ファシリテーターとしての役割に徹しているので、その間は社長の役は脱いでプログラムに参加できるということですね。


マネディクを利用する中で、もともと課題だった“継続”についてはどうでしたか??

大内様:

全く問題にならなかったですね。月1回、必ず実施することができました。もしかしたらここでもエンジニアという職種の特性が出ているのかもしれませんが、決定したことは真面目に粛々とやる性質があったのだと思います。事前にちゃんと計画さえ立てられていれば、エンジニアの遂行能力は高いのかもしれませんね。

淺井 :

御社のサポートをさせていただいてる中で面白いなと思ったのが、御社のメンバーから出てきた声の中に「課題に気づけるようになったのが嬉しい」「課題を受け容れられるようになったのが成果だ」というものが多くて、エンジニアの方々って課題さえ認識できれば、それの解決にはとても真っ直ぐに取り組む傾向があるということを学ばさせていただきました。

大内様:

確かに、そのような部分はありますね。淺井さんが言ってくださった通り、エンジニアって何かしら課題が見えると、まるでバグ潰しのようにじゃないのですが、がむしゃらに突き進める傾向があります。むしろ課題が見えない時の方が、みんなストレスなんですよ。マネディクのプログラムを通して、「これってこういう課題だったのか」とか「こういう順番で対処していけばいいんだな」ということがわかり、解決の糸口が見つかってきたのだと思います。


マネージャーを孤立させない仕組み。“ロールモデル不在問題”も他流試合『OneTable』で乗り越える

受講後のメンバーの様子や反応はいかがでしたか?

大内様:

マネジメントというテーマの大前提として、学んだからといってすぐに日々起きる問題や課題が解決するということではありません。ですが、その問題を解決するための糸口が以前はなかったのですが、マネディクのプログラムを通して見つかったと感じているメンバーは多いようです。

また、マネジメントの悩みを抱えることは仕方ないことなのだと割り切った考え方ができるメンバーが増えました。つまりは、「マネージャーという立場にいる限り、誰もがずっと悩みを抱えるものなんだ」と思えるようになることで、いま自分の中にある葛藤は正しいことなのであるということを自己認識できるので、それだけでストレスは軽減されます。このメリットは強くあるみたいですね。



「月1回の定例ミーティング※」や「他流試合 ”One Table”※」を積極的に活用いただいていますが、どのような点が良いでしょうか?

大内様:

まず月1回の定例ミーティングでは、私たちが現在進めていることを改めて客観的に見直す良い機会になっています。愚直に遂行することも大事ですが、定期的にトピックを見返したり、私たち自身が自ら立ち返るときがやはり必要だと考えています。この定例ミーティングでは必要に応じて軌道修正をしたり、中期的な目線で達成したいことを共有し、フィードバックをもらえる大切な機会だと思って参加しています。

他流試合 “OneTable” については、参加したメンバーが口を揃えて「行ってよかった!」と言っていますね。経営者は、他社の経営者とさまざまな情報交換を当たり前のようにしているのですが、社員だと他社の近しい立場の方と悩みや経験をシェアする機会って意外とないと思っています。だからこそ、参加したメンバーは満足度が高いのだと思います。


※月1回の定例ミーティング…組織の最新状況や懸念点などをお伺いした上で、マネジメントセッションのテーマに関するご提案やファシリテーションのポイント伝達などが行われる。
※OneTable…マネディクで利用できる、同程度のポジションに就く他社人材とのグループセッションを行う全5回の他流試合型トレーニング。社内にロールモデルが少ないスタートアップ/ベンチャーの特性を踏まえ、外の視点を得るためのプログラムとして用意されている。


淺井 :

最近開催した会にも、御社の社員の方が来てくださっていましたよ。

大内様:

先日のOneTableに参加した社員は、会が終わった後も他社の方と引き続き交流しているようです。OneTableに関しては、メンバーが自走して参加しているので、きっと彼らは普段からこのような機会を求めているのでしょうね。自分と同じようなレイヤーにいる他社の人たちが、どのようにマネジメントを実践しているのかを具体的に知りたいのだと思います。

淺井 :

おっしゃる通りですね。ベンチャー企業や成長企業には「ロールモデル不在問題」というのがあります。自分の直上長が、社長や役員クラスというケースが多いのですよね。ですが社長や役員クラスの方々って修羅場を経験した回数が違うので、社員がロールモデルにしたいと思っていても再現することがすごく難しいのが実際のところです。

実は私自身もそのような経験があって、「社長はそう言うけど、それは社長だからこそできるんだよな…」という状況になるのですよね。誰かに相談しようにも、社内には自分より若いメンバーしかいないという状態で、誰に相談すれば良いのかわからず、また自分の課題認識や視座は適正なのかとか、いろいろと不安になる気持ちがよくわかります。

マネディクは基本的にベンチャー企業や成長企業向けのサービスなので、OneTableには成長を掲げてる組織のミドルマネジメントレイヤーの方々が多く集まっています。さらに現場に近いリーダーやマネージャー相当のクラスと、事業部長クラスの2つに分けて開催しているので、立場や視座、悩みが近い人と出会うことができるため、参加することで得られるものは大きいと思います。

所属する会社によっては他社の人となかなか接点が持てなかったりしますし、もし繋がりがあったとしても、利害関係がないネットワークを築くのって大変なので、このような課題を持っている会社や人に上手く他流試合“OneTable”を活用してもらえたら嬉しいです。

マネディクを導入してから、最も変化や効果を実感したエピソードを教えてください。

大内様:

まず、マネージャーたちがひとりで悩んだり、葛藤の中で孤立させるようなことがなくなりました。マネディクのセッションで、月1回必ず集まってシェアできるので、結束力や横の連携感が強くなったと感じます。

それから、セッションを通してマネジメントの “共通言語” を作ることで、社内のコミュニケーションコストは減ってきています。もし共通言語がない状況で、私がマネージャー陣に何かを言うと、説教と受け止められてしまう可能性があります。しかし、共通言語があることで、マネージャー陣も「ああ、あのことを言っているのか」とスムーズに理解して、議論することができるわけです。共通言語があることによって、お互いに余計なストレスを無くすことができたと考えています。結果として、上長と部下の信頼感や安心感の醸成にも影響していると思います。さらに中長期的にいえば、共通言語を基点として組織カルチャーを積み上げられていると考えています。


約十年ぶりの組織再編のきっかけは、マネディクを経験したメンバーの声

マネディクを導入してから、最も変化や効果を実感したエピソードを教えてください。

大内様:

昨年の秋から、マネディクのプログラムを学んでいるメンバーをマネジメントに置き、組織を5つの部門に分けました。それまではコンサルティングファームのように、トップがいて、その下にいる全員がフラットな体制だったのですが、それを約十年ぶりに再編することにしました。




淺井 :

約十年ぶりというのは、だいぶ大きな変化ですね。どのような経緯で新しい組織体制にすることにしたのですか?


大内様:

実はこの組織再編は、マネディクのプログラムを経る中で、そろそろ部門制を実践するタイミングだと思えたところが大きいです。今後、10部門になるのか、もしくは今の5部門の下にまた組織を編成するのかは決まっていませんが、ある程度の組織ヒエラルキーは形成しようと思ってます。そのためには、絶対にマネジメント能力が必要になってくるので、マネディクを活用しながら組織進化をスピードアップして取り組んでいきたいです。

もともとマネディクを導入する1年前ぐらいから部門制組織の構想はあったのですが、もっと先になるだろうなと考えていました。しかし、役員や現場のメンバーから「せっかくマネジメントを学べたので、部門制にして実践する機会を作ることで、より責任感と意識が芽生えるのではないか?」という提案が上がってきたのです。

なので「組織を再編するなら今だな」と思って、すぐに翌半期から新体制でいくことを意思決定しました。これは完全に、メンバーから私が得た気づきでした。


淺井 :

大内さんからではなく、役員の方の提案から新体制が生まれたのは、とても素敵ですね。また御社の「学びのために実践させる」という姿勢も素晴らしいと思います。実際、いま新体制になってどう感じられていますか?

大内様:

新体制にして良かったと考えています。マネディクで学んだことも実践できますし、5つの部門のマネージャーたちは、みな悩んで葛藤しながら前進しようとしているのですが、それ自体が彼らにとっては良い経験になっていると思います。


最後に、マネディクの導入を検討されている企業様に向けて一言メッセージをお願いします。

大内様:

自走を促すマネディクのプログラムは、マネジメントに悩むベンチャー企業や成長企業にとって最も望ましい選択だと思います。


マネディクのプログラムを受ける前は、マネージャー陣はモヤモヤした気持ちや悩みをひとりで抱えていました。「自分がダメなのではないか」とか「マネージャーとしての能力が足りないのではないか」と、自分自身を責めるときもあったと思います。


ですが、マネディクのプログラムを受けることで、悩みが課題として見えるようになります。そうすると「自分で解決してみよう」とか「さらに学びを深めよう」というような、前向きな活力に繋がると私は思っているのです。

先ほどお話しした通り、マネジメントは学んだからといってすぐに日々起きる問題や課題が解決することはないですし、常にマネージャー自身が自走して学び続けるしかないと思っています。その礎は、マネディクのプログラムを通して出来上がったと感じています。後はもう、社員のみなさんに実践してもらって、成長していってもらうだけですね。


また、エンジニア組織にもマネディクは非常にマッチすると考えています。エンジニアのキャリアって、「そろそろ30歳なんだから、マネジメントもやりなよ」って突然言われるような感じです。しかしエンジニアとマネージャーでは、求められるスキルが全然違うので、年齢を重ねたからといって、自然にマネジメントスキルが身につく訳ではないのが現実ではないですか。

そのため、自分のスキルセットを見直さなくてはいけないタイミングが必ず来るのですよ。そこで、マネディクのプログラムを会社として導入することで、「この会社ではマネジメントも学べる会社なんだ」「ただ単にマネジメントをやらされるだけでなくて、しっかりと会社がサポートしてくれるんだ」と認識してもらい、会社に対するエンゲージメントが育まれると考えています。


設立1999年
連結従業員数97名(連結140名)(取材時)
事業内容デジタルソリューション事業

マネディクで永続的に
効果のある
管理職育成を。